ブラックリストでもキャッシングできる?異動と登録された時の実態
「ブラックリストだとキャッシングできるの?」「自分がブラックリストかどうか分からない」「ブラックリストって、そもそも何?」など、キャッシングにおいてブラックリストとは実際どんな影響や意味を持っているのでしょうか?
実は、ブラックリストと言ったリストは存在しません。しないにも関わらず、ブラックリストに載るとキャッシングの審査に落ちると言われています。これはいったいどういった事なのか?ブラックリストの本来の意味と、キャッシングに関する影響についてお話ししていきたいと思います。
ブラックリストの影響!キャッシングの信用とデメリットの把握
一般的にブラックリストと言うと、キャッシングの審査に受からない方のリストと言うイメージだと思います。もしそう思われているのなら、それは半分当たっているようで、半分は当たっていないような、実に曖昧な認識だと思います。
ブラックリストとはいったい何か?まずはそれについて言及していきたいと思います。
そもそもブラックリストとは?滞納して失った「異動」の情報
「ブラックリストだからキャッシングの審査に落ちた」と言われると、さも正しいように聞こえてしまいますが、実際はそのようなリストは存在しません。
一般的にキャッシングの審査は、信用情報機関と呼ばれる個人の債務情報を管理している第三者機関にキャッシング会社が確認を行います。その確認をした債務情報から、この人ならお金を貸しても滞りなく返済してくれるだろうと言う「誠実さ」を判断するのが審査です。
他のキャッシング会社から借入はあるのか?現在、他社の借入を合わせていくら借りているのか?過去の返済で遅延があったかなどを確認し、その総合の情報で各キャッシング会社は合否を判断します。
決して、ブラックリストといったリストを見て、合格や不合格を決めている訳ではありません。ただ、信用情報機関に「この方は過去のキャッシングの返済において、大きなトラブルをしました」と言う情報を「異動」と表記され記録された方がいます。
この異動と信用情報機関に登録されてしまうとキャッシングの審査はほぼ不合格となる訳ですが、この異動と登録された方達を一部ではブラックリストに載ったと言う傾向があるようです。
つまりブラックリストと言うリストは存在しませんが、信用情報機関に異動と登録されるとキャッシング審査にほぼ落ちてしまう事から、比喩としてブラックリストに載ったと言われているのではないでしょうか。
※ブラックリストには定義がありません。故に、すべては憶測となる事をご了承下さい。
キャッシングは返済を必ず行わなければなりません。その返済実績にトラブルを持っている方は、詰まるところキャッシングにおいての信用を失った状態であると言えます。
ブラックリスト問題!キャッシングに起こる4つのデメリット
ブラックリストがないと結論付けましたが、便宜上、ブラックリストは聞きなれていると思いますのでこのまま利用していきたいと思います。
では、ブラックリスト(異動と登録されている人)だと実際どんなデメリットがあるのか?意味の次は、効果(影響)についてお話ししていきたいと思います。
- 1.新規の金融商品の審査に落ちる
- 2.現状の金融商品の利用制限
- 3.現状の金融商品の借入停止
- 4.現状の金融商品の一括返済
以上の4つのデメリットが、ブラックリストに載るとある訳です。ただし、これらのデメリットは全て行われる訳ではありません。キャッシング会社によって、1や2だけだったり、問答無用で4を行ったりと対応の違いある事を覚えておいて下さい。
まず一番大きな影響は、新規の金融商品の審査に落ちるという事です。カードローンや車のローンの審査、クレジットカードの審査、エステや化粧品などの割賦支払いの審査などなど、これらの審査にほぼ落ちる事になります。
ブラックリストであるなら、新規に関しては落ちると言ったシンプルなデメリットとなります。ただ、もし何かしらの金融商品でキャッシングをしている場合、下記3つのデメリットの内、どれかを受けなくてはいけなくなると思います。
2つ目、現在利用しているキャッシングに利用制限が掛かる可能性があります。カードローンやクレジットカードなどで、利用できる金額の枠が縮小されたり、継続的に毎月来る商品が一旦配送停止、もしくはキャンセルされたりします。
そうでなければ3つ目、カードローンやクレジットカードなどのキャッシング商品で、新たな借入れが出来なくなってしまいます。カードローンではお金が引き出せなくなり、クレジットカードでは購入できなくなり、返済だけを毎月行う事になってしまいます。
4つ目は、さらに重いデメリットです。借入れている金額を一括返済という処置です。例えば、カードローンで30万円借りていたら一括で返済しなくてはいけないと言うケースです。
ブラックリストに載ると、新規のキャッシング審査に落ち、利用しているキャッシング商品は利用制限、借入禁止、一括返済などのデメリットを受ける結可能性がある訳です。
「ブラックリストに載る」=「信用情報機関に異動と登録される」事が無いように、れぐれも注意しましょう。
疑問を解決!ブラックリストの理解と危険な罠を未然に防ぐ
さて、ブラックリストがどういったものなのか分かっても、結局「どうやったらブラックリストに載るの?」と言った素朴な疑問が付きまといます。
他にも、自分がブラックリストに載っているのかどうか?ブラックリストに載った情報を消せないの?など、ブラックリストに関する疑問は多々あるようです。
そこで、細かい疑問にお答えしていきたいと思います。
5つの疑問!ブラックリストがキャッシングに与える影響
ブラックリストは、信用情報機関に「異動」と登録される事と同義です。そして、異動と登録される方の特徴は2つあり、1つが何度も支払日に払わず遅れてしまう方、もう1つが長期間滞納を続けてしまう方です。
支払いの遅延に関しては1、2回なら全く問題ありません。これが、3、4、5回と複数になると信用情報機関に「異動」と登録されるようです。また長期間滞納は、61日以上、もしくは3カ月以上が目安と言われています。
支払いを3カ月ほど滞納すれば、まず異動と登録される訳です。他にも、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)などをすると異動と登録されます。
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信用情報機関に申請すれば、登録された情報を開示してもらえます。費用は、1000円程度で手続きも簡単です。ホームページなどを利用すれば、24時間受付が可能となっています。
カードローンや車のローン、住宅ローンなどの高額キャッシングへの申込みで不安を感じている場合は、検討されると良いと思います。
異動の登録情報は、基本的に5~10年の掲載期間を経て消去されます。
長期滞納や任意整理などは5年、個人再生や自己破産は10年記録が保管されます。また掲載期間が過ぎれば登録された情報は消去されるようになっています。
キャッシング会社は、貸金業法によって信用情報機関への加盟が義務付けられています。その為、審査時には必ず信用情報機関の情報をどのキャッシング会社も確認する事になります。
見逃すキャッシング会社はありません。もしあったとしたら、そのキャッシング会社は金融庁からの行政処分を受ける事になり営業出来なくなります。そのような危険を、キャッシング会社が行う事はありません。
抜け道を探そうとすると、目につくのが「審査不要でキャッシング」「ブラックでもOK」などの広告です。しかし、このような広告に騙されてはいけません。これらは、いわゆるヤミ金業者です。
ヤミ金業者とは金融庁に届け出を出していない無登録業者の事で、その為信用情報機関を通じての審査をせずにキャッシングを利用する事が出来ます。しかし利息が高く、多くの場合、金融トラブルに発展する事になります。
借りる事は簡単、しかし返す段階で大きな苦労をするのがヤミ金業者からのキャッシングです。ブラックリストに載った場合でも、絶対にヤミ金に手を出さないようにして下さい。
「え?私ってブラックリストなの」知らず知らずに陥る滞納の罠
銀行系や消費者金融のカードローンやクレジットカードの支払いの遅延や長期滞納によって、ブラックリストに載る訳です。
しかし、気を付けていても知らず知らずのうちにブッラクリストに載ってしまっていたという事があります。以下の3つは、カードローンやクレジットカード以外の「忘れやすい」支払いなので注意するようにして下さい。
- Amazonや特定の商品の定期支払い
- 奨学金の支払い
- 携帯本体(スマホ)の支払い
Amazonや楽天、他にも専用の商品販売サイトなどで、定期購読、定期購入している商品がある場合は気を付けましょう。商品によっては、2カ月に1回、35日に1回など支払いが毎月決まった日付でない場合もあるので十分注意しましょう。
奨学金は、額が大きいので毎月の支払いも厳しいと言う場合があります。しかし奨学金=キャッシングというイメージが薄いようで、奨学金の遅延や滞納がキャッシング審査に関係ないと思う方もいるようです。しかし、奨学金の債務履歴は信用情報機関に残ります。
これが一番、見落としがちです。携帯本体の割賦支払いです。携帯の本体を毎月の支払いに上乗せしている方が増えていますが、これは立派な割賦支払いとなります。故に、信用情報機関に履歴が残り、遅延や滞納が酷ければ異動として登録されます。
信用情報機関とは?キャッシング審査の重要な要を理解する
それでは、ここまで度々出てきている信用情報機関についてお話ししていきたいと思います。キャッシングにおける信用を管理する信用情報機関にはCIC、JICC、KSCの3社があります。
貸金業者などの金融業務を行う企業は、この3社のうち最低1社に加盟し審査時に債務情報の確認を行います。では、いったい信用情報機関に登録されている債務情報とはどんなものがあるのか?ブラックリストを構成する情報を詳しく見ていきましょう。
「ブラックリスト」は3つの信用情報機関で管理されている!
日本には指定信用情報機関が3社あります。
機関名 | 加盟している主な企業 |
---|---|
CIC | 消費者金融、信販会社、携帯会社など |
JICC(日本信用情報機関) | 消費者金融、リース会社、保証会社など |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 銀行、信用金庫、農協など |
貸金業務を行う企業は、この3社のうちいずれかに加盟する義務があります。また信用情報機関同士で、情報共有も行っています。
CICとJICCはFINE(ファイン)で情報を共有し、CICとJICCとKSCはCRIN(クリン)で情報を共有しています。これらのシステムによって個人の債務情報は、3社に管理されている訳です。
「Financial Information Network」の略で、消費者個人の総借入残高を正確に把握する事を目的にCICとJICCの間で構築した情報共有システムです。
<CRINとは>
「Credit Information Network」の略で延滞、紛失、盗難などの情報を相互に確認するための仕組みで、CIC、JICC、KSCの3社間で構築している情報共有システムです。
何が載ってるの?信用情報機関が管理している5つの情報
どんな情報が登録されているのか?
②滞納の情報
③任意整理
④個人再生
⑤自己破産
キャッシングには、安定的な収入と返済を誠実に行う「信用性」が必要になっていきます。信用情報機関に登録されている情報は、主に信用性を保証する情報です。
①の契約内容は、契約したキャッシング会社名、氏名、生年月日、電話番号、住所、勤務先、年収、契約している金額などが、各キャッシングごと管理されています。
借入れが3社以上になると、多重債務者扱いとなりブラックではないですがキャッシングの審査に通りにくくなる傾向にあるので注意しましょう。
②の滞納情報は、直近の2年間の返済の遅れや回数、延滞した期間などが月ごとで管理されています。遅延回数や延滞の期間が長期になれば、「異動」という状態になる訳です。審査するキャッシング会社もここは重点的に確認する箇所です。
③④⑤は、いわゆる債務整理と呼ばれるものです。基本的に債務整理を行った場合、信用情報機関では「異動」と登録されます。返済できなかった方が、法的手続きによって債務を処理した訳ですから、返済に難アリとして登録されるのは仕方がありません。
基本的にブラックリストと認定できるのは、「異動」と登録された方です。つまり、重度の支払い遅延、長期の滞納、債務整理をされた方は異動の可能性がある訳です。
もうキャッシングできない?ブラックリストだった時の解決方法
さて、ブラックリストに載るとキャッシングはもうできないのでしょうか?いいえ、問題はありません。但し、条件をクリアする必要があります。
キャッシングするには5年待つ!ブラックリストは時が解決する
その条件とは、信用情報機関に登録されている異動が消えるのを待つという事です。
CIC保管期間 | JICC保管期間 | KSC保管期間 | |
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滞納情報 | 5年 | 1年 | 5年 |
債務整理 | 5年 | 5年 | 10年 |
※債務整理も基本的に5年ですが、KSCのみ個人再生と自己破産の記録を10年保管しています。
このように、滞納情報や債務整理の情報は主に5年管理されます。5年間待てば、異動の情報が消え再度キャッシングを利用する事は可能です。逆に言うと、ブラックリストに載っている間はキャッシングを利用できないという事です。