借金の踏み倒しで6つのデメリット!逃げられない債務不履行という罪
「借金を踏み倒してしまいたい!」そんな事を考えてしまうほど、キャッシングの支払いに苦しんでいたり悩んでいたりするかもしれません。しかし、実際に踏み倒しを実行する事は一般的にありません。ただ、稀にそのような行動をとってしまう方もいる訳です。
踏み倒しには、2つの方法があります。違法のものもあれば合法な踏み倒しというものもあります。また、踏み倒しても逮捕(場合によっては逮捕されますが)される事はありません。但し、踏み倒しをすると6つのデメリットがあり、そのせいで大きな痛手を負う可能性があります。
借金の踏み倒しとはどういった物なのか?デメリットや踏み倒しの危険性を踏まえながら基本的な知識からお話ししていきたいと思います。
借金の踏み倒しを知る!2つの方法と民事的問題を理解する
残念(?)なことに借金を踏み倒して逃げたとしても、多くの場合いつかは捕まってしまい最終的には罰を受ける事になります。某サイトなどを見ると、逃げられると断言する事もあるようですが、多くの場合逃げ出す事はできるでしょうが逃げ続けるのは至難です。
それはなぜでしょうか?これから借金の踏み倒しについてお話ししていきます。借金に苦しむ方は逃げ出したくなるとは思いますが、これからお話ししていく事から踏み倒しはしない方が良いと感じて頂けると思います。
踏み倒しとは?借金の支払いから逃げる2つの方法
踏み倒しとはキャッシングや金融ローンなどを長期間滞納して、その支払いから逃げる事を言います。そして踏み倒しには2つのパターンがあります。
◆②自己破産
1つは逃亡です。これが一般的な、借金の踏み倒しです支払いを滞納し続けて、引っ越したりして行方をくらませる訳です。その際、住民票を異動させてはスグにバレますのでそのままにしておきます。そして苦しい生活が始まるといった感じでしょうか。
もう1つは、民事執行法による自己破産という合法的な踏み倒しです。
逃亡方法には引っ越し、結婚、時効まで逃げ切るなど様々ありますが、これらはどれも法に触れる行為なので、逃げ続け(逃げ切れるか分かりませんが)なくてはいけません。しかし、自己破産は違います。合法的に借金を免除する事ができるのです。
但し、自己破産は「借金の免除」という強力な効果を持っている反面、簡単にできないようにもなっています。自己破産は裁判所に申し立て、免責決定を下して貰う事で借金を消す事が出来るのですが、免責が下りない場合もあるので注意が必要です。
※基本的に専門家を頼り自己破産の手続きを行う為、相談の段階で面積が無理な場合はスグに教えてもらえると思いますが、素人で免責になるかどうかの判断をするのは難しいと思います。
以上2つの踏み倒しがある訳です。もし本当にどうしようもなくなった場合は、②の自己破産を検討してみて下さい。①は人生を捨ててしまう程の覚悟がなくてはいけないので、絶対選ばないで下さい。
刑事と民事!条件次第で踏み倒しの罪は10年の懲役となる
さて、そもそもですが踏み倒しとはどんな罰則があるのでしょうか?お金を騙し取るような形で逃げるので「詐欺」なのでしょうか?まずは借金の踏み倒しがどういった罪なのか確認していきましょう。
滞納しているお金を返済する事なく姿を消す(逃げ出す)と、債務不履行となります。借りたお金を返すという約束を、守らなかったという訳です。債務不履行は民事上の紛争であり刑事事件とは全く別のものとなります。
つまり、借金の踏み倒しは「債務不履行」という民事上の罪という事になり、刑事事件ではないので「警察に逮捕」される事はありません。
※民事上の紛争に警察は不介入でなくてはならないからです。
借金の踏み倒しは詐欺ではありません。その為、犯罪ではないのですが「もし最初からお金を騙し取る事を目的としていた場合」は話が違ってきます。この場合は、詐欺となり刑法第246条が適用され逮捕されてしまいます。
<刑法第246条> 人を欺いて財物(お金や財産)を奪った人は、10年以下の懲役に処する。 |
ただ、キャッシングの滞納で借金の踏み倒しを行った場合、騙そうとしたのではなく最初は返そうと思って契約し様々な理由で返せなくなったという流れなので、基本的に返済の意思はあったとされ「詐欺」と認めらる事はありません。
あくまでも、借金の踏み倒しは債務不履行であり、最終的に民事として司法で裁かれる罪だという事です。
信用!罰金!差押え!逃亡する事で失ってしまうものを確認する
それでは、実際に踏み倒して逃げた場合、一体どんなことが起こるのか?自分に対しても、友人や知人に対しても、生活環境や仕事の環境でも、本当に大きな影響が出てしまう借金の踏み倒しについてお話ししていきたいと思います。
【関連記事】
キャッシングの信用情報とは?異動や差し押さえの恐怖を理解する
6つのデメリット!借金の踏み倒しでもたらされる悲劇
①信用情報機関へ「異動」と登録される
②借金の時効には最低でも10年はかかる
③遅延損害金が増える
④精神的負荷、不安と焦りと恐怖が襲ってくる
⑤申込み時の勤務先や財産を失う
⑥連帯保証人がいれば迷惑を掛ける
キャッシングの滞納を長期化すると、金融での信用情報に傷がつきます。いわゆるブラックリストに載るという状態で、信用情報機関に「異動」と登録されます。これにより、今後の金融ローンの審査はほぼ全滅となります。
借金には時効があります。時効は5年となっていますが、キャッシング会社からの訴えなどでさらに5年は基本的に伸びるので、計10年は時効が成立しない状態です。さらに伸びる可能性はありますが、それでも10年逃げ続ける精神的負荷は半端ないものだと思います。
逃げれば逃げるほど、日々蓄積されるのが遅延損害金です。これは滞納してい額が大きければどんどん膨らみます。もし踏み倒して逃げられたとしても、途中で見つかってしまえば溜まりに溜まった遅延損害金と滞納金を一気に請求される事になってしまいます。
借金を踏み倒し逃げる時、色々なものを裏切る事で精神的に苦しむでしょうが、それだけでは終わりません。逃げ続けるという事は、常に捕まるかもしれないという恐怖と闘わなくてはいけません。また住民票を移せない為、行政サービスも受けられず社会でも精神的にも孤立してしまいます。
※逃げる事を諦め役所に駆け込む事で踏み倒しから解放され逃亡が終了する事もあります。
お金を借りる時、様々な情報を渡しています。現住所、勤務先などは当然渡していますので、借金を踏み倒してしまうならそこから離れなくてはいけません。
つまり、今までの生活基盤を捨てる事と同義なのが借金を踏み倒し逃亡するという事なのです。
また借金をする時、連帯保証人をつけているなら相手に金銭的な迷惑を掛ける事になるでしょう。さらに、踏み倒しているので連絡も取らないと思いますので人間関係も崩壊してしまい様々なものを無くしていってしまう訳です。
権利と時効!踏み倒しても逃げられる可能性が低い理由を知る
キャッシングの滞納が長期化し、「もう逃げるしかないのか?」と短絡的に考える方はあまりいないと思います。逃げるとなると、家族、友人、会社などの人間関係やそれまの人生基板などを捨てなければいけないからです。
ただ、上記に挙げたデメリットを受けてでも良いと、人生や状況に悲観される方も中に入るのでしょう。滞納トラブルというものは、それだけ根が深く辛いものですから。しかし、では実際に借金を踏み倒し逃げられるのか?逃げ切れるのか?というとそうでもありません。
貸金業者が持つ権利や借金の時効を踏まえ、逃亡する事がいかに難しいのかお話ししていきたいと思います。
逃げてもバレる!2つの権利で貸金業者は追いかけてくる
踏み倒す方法の1つとして結婚や養子になって、姓を変えてしまうというものがあります。これを有効と言うと語弊がありますが、それでも一時期借金を踏み倒す手段としてよく聞いた話でした。
ただ現状その手は通用しません。姓が違うと言っても、同一人物であることに変わりはありませんので、住民票や戸籍から簡単に特定する事が出来てしまいます。そして、貸金業者は戸籍法によって調べる権利を持っているのです。
<戸籍法10条の2第1項第1号> 自己の権利を行使したり、または自己の義務を履行するために、戸籍の記載事項を確認する事が可能。 |
また一般的な踏み倒しとして、夜逃げ同然に引っ越してしまう方法もありますが、こちらも住民基本台帳法第12条の3第1項第1号によって、貸金業者は住民票を追う事ができます。つまり、住民票から身元がバレてしまう訳です。
だからこそ、住民票を移さない方がいる訳ですが、それでも専門の方を利用されたりして見つかってしまうものなのです。
※借金の額によって相手の追い込み度が変わるというものもあるでしょうが、やはり逃げ切るのは難しいと思います。
最低でも15年!借金の踏み倒しを時効にするのは難しい
借金には時効があります。その為、踏み倒して逃亡し続ければいずれは時効を迎え借金が無くなるかもしれません。下記は参考例となります。
消費者金融キャッシング
銀行系キャッシング
クレジットカード
<10年の時効>
信用組合ローン
奨学金
信用金庫ローン
消費者金融や銀行のキャッシングやクレジットカードは、時効が5年あります。つまり借金を踏み倒した場合、5年間逃げなくてはいけません。確かに大手の金融会社にとって低い金額(10万円以下の債務など)は、無視されるケースがあるのかもしれません。
しかし、そういった場合でも債権を回収業者などに譲渡してキッチリ行われるケースもあります。つまり、低い債務だとしても甘くはない訳です。また、キャッシング会社もただ手をこまねいている訳ではありません。
時効には、「時効の中断」という貸金業者への救済処置があります。これは、以下のような法的手段によって時効完了までの期間を一時的にストップする事が出来る方法です。
- 裁判請求
- 差押え・仮差押え・仮処分
まず債権者であるキャッシング会社から内容証明郵便が送られてきますが、この際まず6か月間の時効延長が与えられ債務者に対して対処する期間を設けられます。さらにこの期間に踏み倒した借金である滞納金を返済しなければ、訴訟へと発展する訳です。
すると、時効は完全に中断され判決が出ると再度10年の時効期間が始まる事になります。
いままでの時効に加え、新たに10年時効が加算される訳です。なら、住所がわかなければ裁判しなくても良いと考える方もいるようですが、「公示送達」という債務者が住所不定でも起こせる訴訟がありますので結局時効は5年プラス10年以上となります。
つまり、逃げ切るには途方もない期間逃げ続けなくてはいけなくなり、ほぼ実現が不可能と言える訳です。
民事的制裁までの流れ!逃亡までの3段階と全体像を把握する
ここまでで、借金を踏み倒して逃げる事はできても、逃げ切れないかもしれないと感じて頂けたと思います。結局、踏み倒すのは至難だという事です。
ここで最後に、実際に踏み倒した方がどの様な流れで借金から逃げたのかについてお話ししていきたいと思います。
3段階に注意!借金の踏み倒しまでの流れを確認する
キャッシングの滞納から、徐々に追い込まれ、下記のように3段階の精神的追い込みを本人は感じていたようです。
- 段階①遅延損害金や催促の電話やはがきにイライラしてきた
- 段階②払いたくても払えない苛立ちと焦りで精神的に不安定になった
- 段階③ある段階から、猛烈に逃げたら楽になると真剣に思えてきた
全ての方がこうなる訳ではないですが、この方は逃亡する前にこのような精神状態だったわけです。本人自身は返す意思があったのに、それが出来ない事にイライラしたのでしょう。で、それ八つ当たりに近い感情を持ったというところでしょうか。
次に、怒りを通り越して虚しさや不甲斐ない無さを感じてしまい、落ち込んだりし始めたわけですね。常識的な方なのでしょう。ただ、計画的な方ではなかったため自らを追い込んでいったのでしょう。
そして最後にはどうしようもなくなって、考える事につかれてしまったのでしょう。逃げてしまう事と解放される事がどこかで結びついてしまった結果、それに囚われてしまったのでしょう。で、借金を踏み倒し逃亡という訳です。
この方は最終的には、借金を完済しています。しかし、そこに至るまでに大きな悪影響を自分にも他人も与えてしまったようです。すべての方がこのような流れで逃げるわけではありませんが、参考にして踏みとどまる一助にして頂きたいと思います。
意外に早い段階で逃亡!滞納どの段階で消えるのか把握する
最後に、滞納から裁判、そして差押えまでの流れを確認していきましょう。
↓
◆督促状がキャッシング会社から届く
↓
◆再三の滞納金の支払い催促
↓
◆内容証明で最終通告
↓
◆裁判を起こされる
↓
◆給与や財産の差し押さえの執行
基本的に借金を踏み倒して逃げる方は、内容証明が届く前には住所から消えていることがほとんどです。中には居直ってお金がない事をわざわざアピールされる方もいるようですが、多くの傾向としてはキャッシング会社が催促している途中に連絡を絶たれてしまうようです。
借金を踏み倒して、全てを捨てて逃げた先で新たに暮らす。捨てることなく逃げる事はできませんので、捨てて逃げたとします。でも、多くの方は結局最後には支払って罪を償っていたりします。今回のお話で、いかに借金の踏み倒しが至難であり、虚しいのかを感じて頂けたらと思います。