キャッシングの過払いとは?グレーゾーン金利や請求方法の徹底解説!
「キャッシングしていると過払い金が貰えるらしい・・・」「私は過払い金って貰えるのかしら?」「そもそも過払い金とは何?」など、キャッシングの過払い金について気になる事が多いようです。
しかし、実際に過払い金を請求する事は専門家以外では、なかなか難しいのが現実です。その他にも、過払い金の請求によってどのような影響が及ぶのか、過払い金の請求方法はどんなものがあるのかなど、多岐に渡る疑問が付きまとうと思います。
そこで、キャッシングの過払い金について詳しくお話ししていきます。
私は過払い金を貰えるの?意味と3つの条件を理解する
「過払いって何?」「自分は過払い金を貰えるのだろうか?」など、そもそも過払いの意味や自分に関係があるのか疑問に思う方もいると思います。
CMなどでよく耳にしたかもしれませんが、過払いとは簡単に言えば「利息を払い過ぎた状態」の事を指しています。払い過ぎた利息(お金)の事を過払い金と言い、その返還を求める事が過払い請求と言う訳です。
それでは過払いについて、もう少し詳しくお話ししていきたいと思います。
過払いとは?払い過ぎたキャッシングの利息分を請求する権利
過払いとは、キャッシングの返済時に支払う利息を多く支払っている(支払っていた)状態の事です。
基本的にキャッシングの返済時の利息は、年間利率によって定められています。しかし、その利率以上の金利で利息を支払った方は過剰に支払ってしまっている訳です。
2010年に、貸金業法の改正が行われ、それ以降の金利についてはどのキャッシング業者も適正に行っています。
※適正行わないのは、闇金業者なので注意して下さい。
しかしそれ以前の時期に過払いで支払った利息に対しては、キャッシング会社へ請求してお金は取り戻すことができるのです。これが、過払い請求です。
過払いとは、ある時期の年間金利が適正でなかった為に利息を余分に支払っていた状態であり、過払い請求は余分に支払った利息を返還するように求める事なのです。
3つの条件を確認する!過払い金を受け取れる基本的なポイント
ただ、キャッシングを利用していた方が誰でも過払い金の請求をする事ができるのかと言うと、そうではありません。いくつか条件はあるのですが、まず大前提である3つの条件についてお話ししていきたいと思います。
- 平成20年以前の契約である
- 金利が18%以上での契約である
- 最後の利用から10年以内である
2010年に法改正が行われ金利は適正になりました。つまり、それ以前の金利が不適正な時期にしか過払いしていた期間はないという事です。
しかし、2010年に法改正をされましたが、実質は平成20年(2008年)ごろには、大手の消費者金融などは適正にしていたので、平成20年以前に契約をしていたかどうかが1つのポイントとなる訳です。
次に金利なのですが、過払いとは法的に適正でない年利を踏まえて計算された利息を払っている状態なので、平成20年以前であっても適正な金利(借入額にもよりますが、50万程度なら18%)でキャッシングを行っていた業者には返還する利息はない事になります。
18%以上の金利で支払っていた時期がある場合は、過払いしていたといえるのです。これが2つ目のポイントです。最後ですが、過払い金の請求には時効があります。それが、最後に利用した時から10年で請求できる権利を失効するという事です。
完済されて既にキャッシングをされていない方は、特に注意が必要なポイントとなります。平成20年以前、金利18%以上、最後の取引から10年以内、この3つの条件に当てはまっているかどうかが、過払い金を貰えるかどうかの条件となります。
他にもある!取引の分断と過払い金が貰えない条件を知る
上記の3つの条件は、あくまでも大前提です。この3つをクリアされている方は、ほぼ過払い金の請求が行える方だと思います。ただ、過払い金の請求は個人的に行うには少々メンドクサイ点が多いのです。
これからお話しするのも、未だに議論が続いている問題であったり、貰えるかもしれないと勘違いされているケースについてです。より深く、キャッシングの過払いについて確認していきましょう。
完済して最近キャッシングを契約!取引の分断と過払いの関係性
一度キャッシングを完済して再度キャッシングを行った方に当てはまる事なのですが、残念ながら未だに専門家でも確実に返還できるかどうか分からない問題でもあります。
基本的には、最後の取引から10年経てば時効が成立して過払い金の請求はできないことになります。例えば、2002年に完済された方は、2012年が請求の期限となります。しかし、再び「同じ業者」からキャッシングをした場合、最後の取引が2018年と言ったように当然ですが延びる訳です。
さて、この「最後の取引」をどう見るかで意見が分かれたりします。契約している側としては、以前の取引と現段階の取引を含めて1つの取引として主張したいところです。しかし、キャッシング会社の方としては、当然別個のものとしてみたい訳です。
取引の分断を別個に捉えるか、または一連性に捉えるかで過払い金の請求金額は大きく変化するのですが、この点は未だにキャッシングの過払い請求で問題になる争点なのです。
これは実際に裁判沙汰になり、条件次第で別個に捉える判決が出たり、一連性に捉える判決が出たりしています。
完済後に再契約した方は、この点について専門家抜きで過払い請求する事はかなり難しいと思います。もし過払い請求を検討する場合は、専門家に一度相談された方が良いと思います。
多種多様!キャッシングの過払い金が貰えない6つのケース
他にも、以下のような場合は、過払い請求が行えません。
②高額商品の割賦支払い
③エステや嗜好品などの高額商品の割賦支払い
④自動車やバイクなどのローン
⑤住宅ローン
⑥SMBCモビット、アットローン、キャッシュワンなどの消費者金融
クレジットカードのショッピング枠には、そもそも「利息」が存在しません。故に金利による払い過ぎという現象も起きない為、過払い金は発生しないのです。クレカのショッピング枠は、割賦販売法のもとで管理されていてキャッシング枠とは別のものとなっています。
高額商品の割賦支払いやエステなどの高額商品の支払いも、クレカのショッピング枠同様、割賦販売法によって管理されているので、利息を払い過ぎると言ったトラブルは起きないので請求する事はできません。
自動車、バイク、住宅ローンなどは、キャッシング同様金融商品ではありますが、これは除外対象とされている為、過払い金が発生する事はありません。また高額商品のため金利も18%以下に設定されている筈なので、過払い金が発生する事はありません。
基本的に、銀行のカードローンは法的に順守されていたので18%以下の金利を維持しています。しかし、消費者機金融やクレジットカードのキャッシング枠などは18%を超えている事もありました。
その中で、SMBCモビット、アットローン、キャッシュワンなどの一部の業者は、18%を順守していたので過払い金が発生する事はありません。この辺りは、3つの条件の2つ目に該当しているのですが、消費者金融から借りていたら過払い金が貰えると勘違いしている方もいるので注意しましょう。
キャッシングの過払い金の仕組みと請求方法を把握する!
過払いの意味や過払い金を貰える条件、そして貰えないケースなどについてお話ししていきました。では、実際に請求するにはどうすれば良いのか?
その点についてお話ししていきたいと思います。ですが、方法のお話をする前に、過払いと金利の仕組みについてもう少し確認していきたいと思います。
出資法と利息制限法のスキ間!グレーゾーン金利が過払いの原因
グレーゾーン金利こそ、過払い金の発生には欠かせない概念です。キャッシングの金利について定めていた法律には、出資法と利息制限法の2つが存在しています。
2010年6月に貸金業法が改正され統一されたのですが、実は改正前、この2つの法律には金利について若干の違いがありました。下記は、利息制限法に基づく金利についての定めです。
②10万円以上100万円未満の借入れの場合は上限を年18%とする。
③100万円以上の借入れの場合は上限を年15%する。
上記が現在でも利用されている、年間利率についての定めです。しかし、改正前の出資法はこの利率に違いがありました。
元金 | 出資法 | 利息制限法 |
---|---|---|
10万円未満 | 29.2% | 20% |
10万円以上100万未満 | 29.2% | 18% |
100万円以上 | 29.2% | 15% |
このように出資法は、年間利率(金利)の上限が29.2%まで可能だったのです。
当然、2つの法律で利息の上限が異なるため、キャッシング業者は迷います。しかし、都合の良い金利を採用したくなるのは仕方がないのかもしれません。この出資法の金利と利息制限法の金利の差を、グレーゾーン金利と言います。
法の抜け穴であったグレーゾーン金利に基づき利息を請求していたキャッシング会社には落ち度はあまりないような気がします。しかし法改正後、この「出資法に基づいて請求していた利息」が「取り過ぎてしまった利息」に変化したため、現在の過払い請求のような流れとなった訳です。
結局どうしたらイイの?過払い請求の方法は3つある!
では、実際にキャッシングの過払い請求をするにはどうすれば良いのでしょうか?方法は以下の3つに絞れます。
②司法書士に頼む
③自分で行う
キャッシングの過払い請求は、専門家に頼むのが一般的です。なぜなら過払い利息の計算、和解への交渉、書類の準備や手続きなど、専門的な知識や経験が多岐に渡って必要になるからです。
弁護士や司法書士に頼む場合、どちらでもあまり差はないと言えます。着手金は0円~3万円程度、成功報酬は1社につき2~3万円、過払い金から20%の報酬で訴訟になったら25%、さらに手数料が発生すると言った形でどちらも同じような経費が掛かります。
唯一違う点と言えば、過払い請求できる金額が司法書士では140万円以上だとできないので、140万円を超える場合には弁護士に依頼をしなくてはいけないという点です。
法的な面を踏まえると、過払い金の請求額が140万以上か以下で弁護士や司法書士についての判断が必要になりますが、そのほかの点においてはどちらでも問題がないと言えます。あとは、実際に検討する際、直接会った感触などを判断しながら決定するようにして下さい。
自分で行うのは、あまりお勧めはしません。着手金や成功報酬などの費用は一切かかりませんが、手続きや交渉などは全て自分で行っていかなくてはいけません。経験不足のために、キャッシング会社に良いようにまとめられる可能性がある為、専門家を検討された方が良いと思います。
デメリットはあるの?キャッシングの過払い請求がもたらす影響
ここまでのお話でキャッシングの過払い請求をしたいと考える方もいるかもしれません。しかし、実際に請求した場合、何か良くない影響があるかもしれないと不安になっている方もいるかもしれません。
例えば、ブラックリストに載るなどです。それでは、過払い請求をした際の影響についてお話ししていきたいと思います。
ブラックリストには載らない!過払い請求は債務整理とは違う
キャッシングの過払い請求と聞くと、債務整理を思い浮かべる方も多いのかもしれません。確かに債務を整理するという点ではそうなのでしょうが、ブラックリストに載るような債務整理とはか過払い請求は違うのです。
債務整理とは、以下の3つの事を言います。
②個人再生
③自己破産
任意整理とは、取引の開始時まで遡って利息制限法の上限金利で再計算した支払い額に、借金を減額する方法です。但し、キャッシング会社が出資法を利用せず利息制限法で利息を計算していた場合、借金が減る事はありません。
また任意整理は、その後の返済において原則金利をカットして元本のみを3年程で分割するようにキャッシング会社と和解することになります。
例えば借入残高が30万円だった場合、まずはグレーゾーン金利で支払った利息があれば30万円から差し引き無ければ30万円を、3年程で分割して完済することになる訳です。任意整理は、最低でも金利のカットと言うメリットがあるのです。
任意整理は、グレーゾーン金利分を再計算して借金を減額する工程があります。この部分が、過払い請求と同じなので混同されるようですが、過払い請求は過剰に払った利息分の返還を求めるだけなので、任意整理とは全く別物となります。
個人再生や自己破産などは、借金(借入残高)の大幅な減額や免除を求めていく債務の整理方法です。よって、当然行えばブッラクリストに載り「返済時にトラブルがあった」という情報は残ってしまう訳です。
影響なんてほとんどない!過払い金の請求は正当な権利です
上記のように、過払い請求と債務整理は違う訳ですが、1点注意しておかなくてはいけない事があります。キャッシングを既に完済している方が、過払い金の請求をしても全く問題はありません。
支払い過ぎた利息は、いわば契約者だった方がキャッシング会社へお金を渡している状態、つまり債権者と言う位置づけになります。故に、債権の回収をするだけなので全く問題はないのです。また、金融庁からも「返済能力の有無には影響しないため、信用情報には明記すべきではない」と言う指示が出ています。
過払い請求をされる方は、以下の3つのパターンになると思います。
2.返済中で、過払い金の請求で借入残高がゼロになり、さらに返金された人
3.返済中で、過払い金の請求で借入残高が残り返済を続ける人
1と2は問題ありませんが、3は少し問題となります。個人の債務情報を管理している信用情報機関では、過払い金の返金で借金を相殺した場合、信用情報への登録はありませんが、過払い金の返金で借金が相殺できず残った場合は、信用情報機関に債務整理と登録され記録される事になっています。
つまり、返済中の方が実際に過払い請求をした場合、それでも借入残高が残り返済を続けなくてはいけない状況ならば、ブッラクリストに載るという訳です。この点を踏まえ、過払い請求をするかどうかの検討を慎重にする必要があります。
もし返済中の方は、是非専門家に一度お話を聞いてみて現状の把握をしてみて下さい。過払い請求では完済している方にとっては何も影響はないのですが、返済中の方にのみデメリットの可能性がある訳です。